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2021-11-07 (11)



ウメハラ選手が自身の配信で、マネージャーの”しのさん”が格ゲー業界に果たした功績について語りました。

プロゲーマーになった時から支え続けてくれたウメハラ選手のマネージャーについて、日本の格ゲー業界の待遇の良さはしのさんのおかげだと語っています。

ウメハラ選手がプロになった当時、アメリカでは企業やチームがプレイヤーを安く使い捨てて搾取する事が横行していたそうですが、しのさんが強い正義感を持って毅然とした態度で企業と対応したことで、報酬の基準が出来て後に続く多くのプロゲーマーの好待遇に繋がったとのことです。

ウメハラ選手は日本のFPS業界についても触れ、どれだけそのゲームが人気で視聴者が多くてもゲーマーは無知だから搾取されてしまうので、正義感を持ってやってくれる人がいれば選手を取り巻く環境が良くなっていくはずだと語っています。



以下、ウメハラ選手が語った内容です。


(YHC-餅選手が公務員なのでSFLの賞金が貰えないという話の流れから)
・金じゃ人間のやる気は続かない。お金じゃ頑張れない。
・麻雀をやってた時は、強くなれば食えるというのが魅力的だった。格ゲーはどんなに強くても食えなかった。20過ぎてから自分の打ち込むものに対して、ある程度の金銭的なものを求め始めていたかもしれない。
・この前の散歩配信でKSKと、寒い地域は哲学者になるみたいな話をした。逆境の中にいるから人間は考える。ぽかぽかした陽気の食い物も豊富にある土地にいたら、なかなかそういう人間性にはならない。良いのか悪いのか分からないけど。
・今の格ゲープロはたぶん8割くらい食えてると思う。兼業の人達はそれだけじゃやっていけないってことだろうけど、8割がた食えてる。そう考えると恵まれてる。普通じゃない。
・コロナになってからはCPTではなく配信がメインになった。配信を長時間やるのは負担だけど、海外に行くより楽。
・格ゲーでプロが食えてるのは日本が強いから。強さは重要だと思う。

・日本の格ゲー業界が食えてる理由の、かなり大きな要因として”しのさん”(マネージャー)がいると思う。なんでかというと、最初に俺がプロになった時にまず言われたことがある。それまで社会から必要とされずに生きてきたし、ゲームなんて価値の低いものを頑張ってるみたいな。
・ゲーマーはゲームについてはプライドを持ってやってるけど、社会に対して、もっと言うと金銭的な価値を生む生まないとなると皆自己評価が低い。お金に関しては。自己肯定感が低かったはず。俺はかなりそういう気持ちが強かった。「ゲームなんてお金貰っちゃまずくね?」って。
・(しのさんに)最初に言われたのは、当時アメリカとかでは企業やチームがプレイヤーをいいように使ってその人の将来とか無視して旬の時だけ安く使って微妙になったらポイッみたいなのが結構横行してたらしい。『それは本当にひどい話です』って。
・しのさんめちゃくちゃ正義感強いから、今回もしのさんに『大吾さん、今の日本はコロナへの対応を見ても分かるように良くないです。絶対選挙行ってください。許せません。』って言われて、選挙に行った。
・『まず第1号として大吾さんは、そういう企業や悪い大人に搾取されないようにしなきゃいけない』と。最初のうちは、しのさんがこういう仕事が来ましたと、俺からするとお金に関係なくオファーがあるだけでうれしい。だけど(しのさんは)当時の俺としてはビックリするくらいの金額で対応する。「えっ、それで相手が気を悪くしたらどうするんですか」みたいな感じ。
・『いや、いいんです。そんな安売りしちゃいけないし、これは大吾さんもそうだしこの業界に関わる企業やメーカーに対しても毅然とした態度をとっていかきゃいけないんです。そうじゃないと業界が良くなっていかない。大吾さんに対してもそうだし、企業に対しても教育していかなきゃいけないんです。』って言われた。
・俺からするとドキドキする。「こんな人間にそんな価値あるの?こえーなぁー嫌われたらどうしよう、仕事なくなったらどうしよう」と思ってたんだけど、しのさんの言うことを聞いてたら少なくとも俺自身にはいい仕事がどんどん来るようになった。
・やっぱりそれが基準になった。ゲーマーだからといって舐めた扱いをしないというか、ちゃんと1つの仕事をやってる人として接するべきだという常識が出来上がった
・ときど、マゴ、ボンちゃんとかは最初のレールをひいた状態で来てるから「あ、こんなもんかな」と思うけど、絶対にその基準を作ったのはしのさんだから。しのさんみたいな正義感を持ってマーケティングとかの知識がある人がいない世界だったら、いくらゲームそのものが流行ってたり視聴者が多くても、ゲーマーっていうのは常識もないし知識もないから、いいように搾取されちゃう
・しのさんみたいな人がいなければ、無知なプレイヤーなんて使い捨てにされるし「お前ら好きなゲームで食えてるだけありがたりだろ」みたいになっちゃう。今の格ゲー界の待遇の良さは、しのさんがいたから。しのさんが格ゲー界を食えるようにした。
FPSの世界とかに、日本の優秀な才能あるプレイヤー達をちゃんと正義感を持ってマネジメントする人がいれば変わると思う。基準が出来るから。安く使うって事をしなくなる。
・しのさんは『あなたはちゃんと価値があるんですよ』って言ってくれる。簡単に言うと『大吾さん、この依頼をするのって本当は宣伝費用これくらいかかるんですよ。ちゃんとメディアに出てるだけで役に立ってますよ。』みたいな。
・『見た目を気にしましょう』とか全く言って来ない。「痩せた方がいいですかね?」って話したら、『もういいんじゃないですか?貫禄あっていいと思いますよ』って。「でも視聴者とかは若い時やせてたし、やせた方がいいって言うんですよ」って言ったら『あぁ~、あの頃が輝き過ぎてたと思うのでそれと比べようと私は思わないですね』って。たしかにあの頃は目もキラキラしてたし精神性が清らかだった。
・しのさんにアレやれコレやれって口うるさく言われない。俺がしのさんを信用しているように、むこうも同じくらい信用してると思う。1回受けた仕事を俺は頑張るし。
・レッドブルからお手紙付きで『タオルはやめて頂いて、これならどうですか』ってバンダナを何色かもらった。ありがたいんだけど、こういうきちんとした商品だと絶対俺は似合わないと思う。その時その場にあるものを使ったり着たりするから。
(その後、届いたグッズ等をつけてファッションショーをするウメハラ選手。最終的にテニス選手みたいな格好に落ち着く。)


配信アーカイブ
1時間3分頃から


以前、ボンちゃん選手も似たような話を配信でしていました。
コチラの記事もあわせて読んでみると理解が深まるかもしれません。

ボンちゃんが語るプロゲーマーのお金と仕事論「業界の上にいる人がいい思いを出来ないと、下の人がいい思いを出来ない。下の人達の待遇のためにも自分が安請け合いはできない」