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2020-07-14 (2)


プロゲーマーのどぐら選手が、自身の配信で競技プロとストリーマーの間での葛藤や、昔のゲーセン時代の思い出、格闘ゲームの将来について語りました。

新型コロナウイルス(COVID-19)の影響で今年は大会が軒並み中止となり、来年の開催すら不透明な中で、今の気持ちを吐露しています。


配信アーカイブ 55分頃~

【競技プロとストリーマー】
・ストリーマー人気もどうなるか分からない。
・格ゲーでちゃんとやっていくなら、かなりの練習が必要。練習しても勝てるかどうか問題があるので、プロゲーマーの方が不安定。
・ある程度以上勝ってれば良いが、練習のために時間もかけないといけない。それならある程度ストリーマーの方が安定しているんじゃないかと最近思ってしまう。
・そうなるとプレイヤーとしてやりたい欲も出てきて、(ストリーマーの)えいたとか見てると、俺もそうなりそうだと思う。格ゲーを久々にやったら、やっぱり格ゲーを真面目にやりたいなって気持ちになると思う。それは格闘ゲーマーの性。
・地方でもゲームを競技レベルでやれる証明をしたかった。
・時間が無限にあれば両方やるけど、自分への負担もある。
・格ゲーもぶっちぎりではなく、それなりに勝っててまあまあ強い強いというのが自己評価。客観的に見ると、どう身を振るのが賢いのかと最近思ってしまう。
・DeToNatorクラスの数字があればストリーマーでやろうと思う。格ゲーで頑張ればシーンでいられるし、ストリーマーで頑張ればそっちでもいい形でいけるイメージ。
・かずのこはストリーマー。
・プロとしてやりたい気持ちが結構ある。お金の話をするなら、絶対に配信(ストリーマー)。格ゲーの大会に出て良い結果が出た時の充足感は代えがたいものがある。
・7月からMildomで配信し始めて、自分なりに力を入れてきて、配信も頑張っていきたい気持ちがある。
・かずのこ、ハイタニはストリーマー活動に舵を切って上手くいってる。
・心配してるのは、コロナの影響がいつまで続くか。来年もCPTがなかったら、大丈夫なのかと心配している。正直、楽観的に見てもオリンピックすら無理だと思ってる。オリンピックが無理なら、それ以下の大会なんて絶対無理。
・海外に行けないと、大会が激減する。
・今年と来年に関しては、競技プロである意味があるのか疑問。
・昔の自分はギラギラしてた。バチバチにプレイするのが好きだった。今でもこいつぶっ倒したいみたいなのがあることはあるけど、それをやるには負担が大きい。そんな考えをしてる時点で甘い。費用対効果を考えてしまう時点で、根っこがブレている。格ゲーを真剣にやるのはしんどすぎる。
・来年いっぱいくらいまで海外の選択肢がほぼないと、競技プロでやっていけるのか疑問。
・昔の自分が今の自分を見たら、クソだせぇなって言うと思う。
・自分の中の理想はプレイヤー側に傾倒している事。自分がプレイヤーだから許される立ち回りとかもある。ストリーマーに舵を切るとそれは違うと思ってしまう。
・競技志向で勝ちを求めてゲームをやらなくなるとは、さすがに言いたくない。そう言ってしまうと、もう格ゲーを一切やらなくなると思う。中途半端にやって中途半端に負けたら自分にむかつく。明言する意味がない。
・DeToNatorは自分達がストリーマーで、プロゲーマーじゃないと言ってるからすごい。彼らはプロゲーマーと言われると否定する。
・ゲームの強さだけでプロゲーマーでやっていくのは無理。圧倒的に強くても厳しい。同じくらい強くて自分より付加価値のあるプレイヤーはすぐ見つかる。圧倒的に強くてそれ以外がダメでもやっていけるのが理想だけど、今のご時世でそれは無理。
・若手は今すごく難しい立場にいる。若手は強さだけで評価されない。
・ウメハラさんがトップでなかったらこの業界がここまでなっていなかったかもしれない。ウメハラさんがいるから、この業界でやっていこうと思った人がすごく多いと思う。
・ウメハラさんはいつプレイヤーをやめてもいい。でも対戦が好きだからやってる。シーズン2で、かなり弱いリュウをメインにすると言ってた時に、あのリュウで大丈夫なのかと思ってたら数日後に「やっぱない」と言った。ちゃんと勝ちに行くためにちゃんとガイルを使うといった瞬間がスゴイと思った。やっぱウメハラさんいいな、と思った。そんなに勝てなくてもリュウさえ使えばいいんでしょ?っていう事も出来たのに、勝つためにガイルを使うのは一流のプレイヤーだと思った。
・勝たないとダメ。どれだけ綺麗ごとを言っても今現在勝ってるかどうかが、格ゲーマーとしての発言力やステータスに直結する。昔勝ってても最近勝ってないと、言っちゃダメな事が生まれる。
・でも勝ってるだけで驕りがあってもいけない。謙虚じゃないといけない。優勝した日は周りは黙るしかないけど。
・ウメハラさんとは別の形で格ゲー界に名前を残したい。



【昔と今の大会】
・どれだけ強いプレイヤーでもEVOとかの大きな大会での優勝確率はせいぜい5%程度。それでも「俺は絶対優勝するから」っていう人がいるけど、そういう人は嫌い。現実的に絶対はできないのに、そんな確信を持って言うのは嘘つき。大言壮語で大きくものを言ってしまう行動が苦手。自分を鼓舞するために、そうする姿勢は分かるけど優勝しなかったら嘘つきになる。
・むちゃくちゃやり込んできたから、これだけやって優勝できなかったら仕方ないという気持ちの奴が優勝する。
・プロゲーマーが大会を運ゲーみたいに語る姿が魅力的じゃないという考えはわかる。みんな1回1回の大会をちゃんと勝つと思ってる人は少なくて、アベレージを上げていこうというスタンスが普通。昔の闘劇の時代は1年に1回だけの1先で一番強い奴を決めてた。全国で闘劇を勝った奴が一番強いという共通認識だったけど、今はありえない。今なら1先は結果がブレる。今だとEVOがそれに近い。
・EVOはCPTの一大会だから、EVOだけは絶対勝つというプロはいない。でもそれしか出ない人は絶対勝ちたいという気持ちだから、大会への熱量が全然違う。
・昔は大会への熱量が強くて、やっぱりコイツ勝つんだなっていう熱さがあった。当時は運ゲーとは思ってなかった。10回やって10回勝つつもりで、昔はみんなアカギだった。
・今の若い奴らに言うと、運ゲーだと言われる。そんなのじゃなくて熱かったんだと返しちゃう。昔はそれでみんな納得してて、それが良かった。
・良し悪しはあるけど、今はみんな仲良くなってしまった。昔は話したことない関東勢と当たるとバッチバチで敵対意識もヤバかった。今はそういう気持ちが生まれない。
・同じ業界で長くやっていれば、コイツとは一生喋らないと思ってても、どこかで言葉を交わす瞬間がある。そこで仲良くなったりする。知り合いじゃ無かった頃のバチバチ感は絶対戻ってこない。オッサンは皆あれが面白かったと言ってる。
・ブレイブルークロノファンタズマを始めた時に、知り合いがほとんどいなくてそれが楽しかった。ゲーセンに行ったら全員敵。むこうも敵対意識を持って乱入してきてくれる。
・仲良くなりすぎて馴れ合いになるのは好きじゃない。良い面も悪い面もある。
イノウエ井上さんが言っていた「”全ての相手に90%で勝てる”よりも、”特定の1回の勝負で100%勝てる”能力の方が欲しい」というのが格闘ゲーマーとして普通だと思う。損得なら前者の方が得だけど、それは格闘ゲーマーではない。ただの統計野郎という考えは分かる。



【格ゲーは野球】
・格ゲーは野球みたいになってくれたらいいなと思う。
・格ゲーが日本で人気なのは、野球と一緒。野球は球技として、世界的に見て全然流行ってないし人口も少ない。サッカーとかの人気スポーツに比べたら全然下の方。でも日本で生まれ育つと、野球こそキングオブ球技、日本での球技のTier1と刷り込まれる。それは日本が野球で強いから。自国が強いスポーツを推したくなるのは自然な事で、だから野球の市民権というか権力が強いと思っている。格闘ゲームでもこれが出来るんじゃないかと思ってる。
・ゲームでもFPSやMOBAの方が圧倒的に人口が多いのに、日本でこれだけ格ゲーが良い扱いがされるのは日本が強いから。ガラパゴス人気だと思う。
・プロ野球やJリーグみたいにチームがいくつかできたら面白そうだと思う。でもそれを実現するために整備しないといけないところは関与せず、誰かがやってくれたらいいなという妄想レベル。
・キャラ差のない五分の競技はなかなかないと思う。対戦競技はキャラ差が生まれると思う。将棋の先手が勝率52~53%なら結構差があるなと思う。
・キャラが一緒だとゲームの良さがなくなる。競技性を求めるならキャラを統一するべき。
・ダルビッシュが昔すごくフィジカル志向だったけどいくら耐えても欧米人に勝てないからやめたって聞いて、それをキャラ差というならもう何も言えない。フィジカル差がえぐいっぽい。
・ガラパゴス人気でいいから、日本で格ゲーが盛り上がってくれたら嬉しい。
・可能ならゲーセンが復活して欲しいけど、まず無理だと思う。今のままだと聖地と言われるとこしか残らないイメージ。昔はどこのゲーセンに行くか選べた。ガンダムがゲーセン最後の砦。



2時間31分頃からは、持ちネタのカプコン小野氏のモノマネ、ヌキさんのパスタの話など軽快なトークもあります。
https://www.mildom.com/playback/10623172?v_id=10623172-1594492370455-4695



【追記】
ヌキさんのパスタの話

どぐら選手:
「GO1の結婚式の時にあったんすよ、ご飯が。ご飯がいっぱいあって。」
「僕、並んでて。前の女の子で結構スパゲッティなくなったんですよ。」
「これ、さすがに2個に分けるのは少なすぎるから僕フィニッシュにいったんですよ。」
「取ったら、新しいパスタ出てくると思ったから。そう、バイキング式の立食。」
「このお皿あけたら、たぶん新しいパスタ出てくるやろなと思って全部ガッて取ったんですよ。マジで超少なかったから。」
「ほんだら、後ろの女の子が『へぇっ?!』みたいな感じになって。ハイタニとかが『お前ヤバイやん、後ろの子めっちゃパスタ食べたがってたで』みたいな。」
「『いや、ちゃうやん。たぶんこれ取ったら新しい皿出てくるから。しかも見て量、こんなん分けられへんから。俺は周りのためを思ってフィニったんだ。あけたんだ。』と。」
「って言ったら、食事出す係の人が『すんませーん、もうこれでパスタちょっと本日終わりになっちゃいます、すんませーん』って言って」
「『えええええーーーーー!!!!』ってなって。ハイタニとかが『オイどぐら、おまえ最低やな。オマエまじ終わってんな。』みたいな。」
「『お前マジでヤバイで』って一生煽ってくるんですよ。」
「いや、ちゃうやん!って。あんだけ少なくて分けるの無理やし、普通あけるやろアレは。全部取るやろって言いながら席に戻ったんですよ。」
「もけとかハイタニとかオオヌキさんとかの席だったんですよ。」
「んで戻ったら、オオヌキさんが『ちょっとぉ~、どぐら~ハイタニに聞いたよ~?マァジで酷いじゃん、どぐらそれはないわ』みたいな感じで言われて」
「いや、そうじゃないんすよ、僕アレあけたら新しいの出てくると思ってホンマにそう思ってあけたんすよ、ホンマに違うんすよみたいな感じで、結構俺たじたじになってたんすよ。ヌキさんにそんな感じでイジられて。」
「そしたらもけとハイタニが、明らかにオオヌキさんの方を見て(こっちに聞こえないように)話してて、なんやろ?って思ったら」
「オオヌキさん、『どぐにゃん、女の子泣いてたよ~パスタ相当食べたがってたよあの女の子』って言うオオヌキさんのここ(手元)に、皿にパスタ山盛りで盛られてて」
「オオヌキさん、山盛りのパスタ食いながら『どぐら最低だね』って言いながら食ってたんすよ。それがおもろすぎてw」
「もけとハイタニが『アレやばないすか?』って言ってて、これがかなり面白かった。」
「たぶんオオヌキさんのせいで、あんなにパスタ少なかった可能性もある。」
「まじでフォークでパスタを口に運びながら『あの女の子泣いてたよ~パスタ食べたすぎて』って、パスタ食いながら言うねん。どの口が言うねん。あれ面白かったなー」
「あれはマジで”おまいう”でした。」
「盛ってない。これはマジで事実まんまです。」