このエントリーをはてなブックマークに追加
legalbox


Evo Ruleset for Game Controllers
世界最大の格闘ゲーム大会「EVO」が、改造コントローラーに関する曖昧さを解決するために、トーナメントでの合法・非合法に関するガイドラインを策定しています。
プレイヤーとメーカーにとって、大会で何が合法か非合法か不明瞭な部分があるため、EVOがコントローラーのルールを作って白黒ハッキリさせようという趣旨のようです。
2019年10月31日までに最終的なルールを策定するとのことで、コミュニティからのフィードバックを得るためその内容が公開されました。

コントローラーのルールだけでなく、ゲーム開発者がゲーム内で適用すべき仕様についても提案されています。
現在開発中のHitBox新製品「Cross|Up」や、ガフロボックスなど”CPTの精神”に反するとされ非合法扱いされていた改造コントローラーも、EVOでは合法になる模様です。
※「EVO 2020」のスト5で使用可能になるかどうかは不明です。


内容は以下のようになっています。(原文はコチラ


ルール1(単一ボタンによる複数入力について)
コントローラーは、単一の入力メカニズムから複数のゲーム入力を起動できない。
これには、コード化された(AとBが一緒になった)入力とシーケンシャル(AにBが続く)の両方の入力が含まれる。
もちろん、単一のボタンに複数の入力をゲーム内で割り当てることは許可されている。
ルール3に記載されている場合を除き、基本的な方向入力(上、下、左、右)はこのルールから除外される。

[合法]特定の位置に保持されたときに、「下+右下」入力を送信するレバー(ボタン)。下と右は基本的な方向入力であり、同時に入力できる。
[合法]ゲーム内の設定によって、複数の入力を1つのボタンで可能にすること。(例:R2を押してPPPが入力される。) 
 ※鉄拳7でレイジアーツボタンを設定して、ワンボタンで出せるようにするのも合法。(L2を押すと豪鬼の瞬獄殺が出るetc.)

[非合法]コントローラー内のボタン配線をいじって、複数ボタンの入力を実現すること。
[非合法]ハードウェアマクロ。特定のタイミングで一連の入力を送信するマクロは禁止。
[非合法]左から右へスライドすることで一連の入力がされるスライダー。
[非合法]押された強さに応じてゲームの入力Aまたは入力Bを送信するアナログプッシュボタン。


ルール2(アナログ入力ボタンについて)
コントローラーは、ルール1に違反しない限り、アナログ入力メカニズムまたはデジタル入力メカニズムからアナログゲーム入力を送信できる。

[合法]アナログスティックが75%右に入力されるボタン。
[合法]2つのボタン(AおよびB)のどちらが押されているか、または両方がされているかによって異なるアナログ出力をすること。
(例:R2はAを押したときにアナログ入力を25%保持、Bを押したときにアナログ入力を50%保持 、AとBの両方が押されたときにアナログ入力を100%保持)
[非合法]押されると、1秒間でアナログ入力・左100%から右100%に入力されるボタン。


ルール3(方向キーの同時入力について)
コントローラーは、反対方向同時入力(SOCD)をゲームに送信できない。SOCD入力には、左+右および上+下が含まれる。
これは通常、ゲームに渡す前に入力の1つを削除する「クリーニング」ファームウェアをコントローラーに追加することが強制される。
標準のゲームパッド(DUALSHOCK4など)は、このルールを明示的に免除されている。 このルールは、2021年4月30日に削除される。

[合法]特定の位置に保持されたときに「下+右」入力を送信するレバー(ボタン)。 「下+右」は反対方向の入力ではなく、単一の入力にバインドできる。
[非合法]「左+右」を同時に入力する単一ボタン。「左+右」は反対方向の入力であり、単一の入力にバインドできない。
[非合法]SOCDクリーナーを追加せずに、新たに「右」ボタンを追加するようなアケコンの改造。プレイヤーは、レバーで左を入力したまま、追加したボタンを押してゲームに右入力を送信することができきてしまう。この結果、SOCD入力がゲームに送信されるため、このスティックは2020年にはトーナメントで使用できない。

【ガフロボックスについての言及】
「ガフロボックス」は特定のSOCDクリーニング方式を実装しており、複数の反対方向を押したままにと、常に最新の押したままの入力が保持される。
例えば、ユーザーが左ボタンを押したまま、右ボタンを押し、右ボタンを離すと、ガフロボックスは左、右、左の入力をゲームに送信する。 この場合、3つのユーザー入力(左を押し、右を押し、右を離す)が3つの異なるゲーム入力(左、右、左)をもたらしたため、ルール1に違反していない。
ガフロボックスは、左と右が同時にゲームに送信されることはなく、ルール3に違反しない。
したがって、Gafroboxはトーナメントで合法である。


【現在開発中のHitBox新型「Cross|Up」についての言及】
・(パッドの)左アナログスティックは、デバイスの左にあるレバーにマッピングされている。
・(パッドの)十字キーは、デバイスの右にあるボタンに移動されている。
・左+右、上+下の同時入力を防ぐSOCDクリーナー搭載。
https://www.hitboxarcade.com/blogs/news/evo-controller-ruleset
https://www.kickstarter.com/projects/2099087376/the-hit-box-cross-up

SOCDクリーナーの実装によりルール3への違反を避けており、複数の入力を送信しないので合法的なデバイスである。
(Smash Boxについても合法)


【格闘ゲーム開発者へのゲーム設計に関する提案】
ゲームデザイナーは、下(D)から上(U)に移行するには、ニュートラルで少なくとも1フレームが必要であると判断し、これを実施するためのゲームロジックを追加する。
(つまり、シーケンスD、D、D、U、U、Uは、ゲーム内のソフトウェアによってD、D、D、(ニュートラル)、U Uに変換される)
・ゲームデザイナーは、左と右を同時に保持することは、ゲームにとって有効な入力ではないと結論付けることができる。
ゲーム入力を処理するとき、デザイナーは、左と右の同時入力を、どちらの入力も存在しない(ニュートラル)かのように処理することを決定する。