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2020-05-21


プロゲーマーのウメハラ選手が、ウメハラジオ出演が決まった総師範KSK氏との配信で、若手プレイヤーや、チームへの思いを語りました。
ウメハラ選手は最近、プロモーターとして他の人にチャンスを与える仕事が多いように見えますが、その裏に隠れた考えを、総師範KSK氏に明かしました。


ウメハラ選手は配信で、以下のような事を語りました。

【若手はもっとコミュニケーション能力を磨かないと、空白の世代になる】
・結局は、タイトルありき。今後も皆が楽しめる格ゲーが出るという前提で考えると、今いる若い子たちにもっとゲームも頑張って貰いたいし、コミュニケーションの方も頑張って貰いたい。
・今いるおじ(ベテラン)達は地位を確立してて、結構いい感じのポジションにいる。こいつらはどこかで気持ちが折れたり、メーカーがもうゲームを出さないとかしない限りはたぶんこんな感じでいけると思う。新しいゲームが出たら分からないけど。
・もし今の若い子たちが実力差とかもこのままいって、喋りとかもそんなに磨かないでいったら、新しい世代でいいのが出てきたら、たぶん空白の世代として扱われちゃう気がする。
・格ゲーレジェンド達がいて、その下にちょっと空白期間みたいなのがあって新しい世代が・・・だからカワノとかはそうなりつつある。それはちょっともったいない。
・ゲームもだけど、コミュニケーション能力も結構ガチで磨かないと、新世代が出てきちゃうときつい。それの最初がカワノ、カワノが1号だと思う。ああいうのが3人、4人、5人と出てきちゃうと、おじvs.カワノ世代みたいになっちゃう。中間の層は結構気合入れて頑張らないといけないと思う。


【強さがあれば、人前で何をすべきか培われる】
・海外に渡航できるレベルになるのは、早くて来年だと思う。
・雪山みたいなゲームを大勢でやるのが新たな希望になってる。今まではどうしても若い子のキャラクターを見る機会がなかった。雪山の中に若い子を1人入れると、嫌でも大勢の中で自分というものを出していかないといけない。キャラクターを皆に分かって貰えるし、まだキャラクターがなければどうキャラクターを出していくか嫌でも考える。1人で配信してる時はたいして人が見ないから、いつもの自分でいいや、ありのままでいいやとなる。大勢の前に出されたら、今のままじゃダメだキャラが弱いと思う。
・若手と絡む回が配信の企画としてあってもいいかなと思う。でもそれって余計なお世話だと思われるかもしれない。俺から見たら明らかに今のままじゃヤバいよ?って思うけど「こっちはこっちでやってるから、余計なお世話だよ押し付けんなよ」って思われたら、まあそりゃそうだよねって。そんな風に自分を変えなきゃいけないなら、別にこの仕事じゃなくていいやって人もいるだろうし。
・強ければ勝手に露出の機会が増えるし、注目される。人前に出た時に自分が何をすべきか鍛えられる。強ければ自動的にその立場になるから配信慣れもしてくだろうし、大勢の前で何をすべきか培われていくから、強ければ全部解決する。プレイが一流ならあとは時間の問題。
・(カワノ以外では)ナウマンはEVO JapanやFAV Gamingの大会で勝って相当目立ってる。竹内ジョンはCPTで上位にいったりしてる。でも、みんな判断基準みたいなものに目が肥えてきて、単発の大会で勝っただけじゃ評価しなくなってきてる。CPTでTOP8とかじゃなくて、国内でトップなんだというとこまでいかないと、評価されない気がする。


【プライドを持ってる奴は真剣じゃない】
・俺は麻雀時代は人に聞きまくった。真剣だから。俺は正直、プライドを持ってる間は真剣じゃないと思う。「俺は俺でやりますわ」って言ってる奴は真剣じゃない。「俺はこれで食っていかないといけないんだから、自分がちょっとでも勝率の悪い相手の意見はどんどん聞くぞ」っていうのが本当に真剣な奴だと思う。麻雀は真剣にやってたから、どんな嫌な奴の話でも聞いた。だって食っていかなきゃいけない、勝たなきゃいけないから。「○○さん、これ何でこうしたんですか?」って呆れられるほど聞いた。でも、その姿勢でなんとか麻雀でも2~3年で食っていけるようになった。



【食っていくことを真剣に考えるなら叩かれることを恐れるな】
・CPTがあれば、配信とかしなくても(一般的なプロゲーマーとして)スポンサーからのお金だけで生活できる。まだ誰も目を付けてない状態でEVOやカプコンカップで上位に入れば、たぶんそういう話が来ると思う。
・総師範KSK「俺が日本にいた頃は、ほとんどのプロが食えてなかった。渡航費が出たらラッキーなくらい。大金で賞金がとれなかったら全然無理みたいな。」
・格ゲーを足掛かりにしてユーチューバーになろうが、人気配信者になろうが何でもいいと思う。ただ、食えないとまずい。ストロングスタイルでも人気者を目指すのでもいいけど、食うという事に関しては真剣に考えないと。今のままで食えるの?って。
・しょうへいは要領が悪すぎるだけで、姿勢はあれでいい。俺には何もないと分かってる動き。おまえには何もないんだから突っ込めよって。あいつは正しい事をやってる。
しょうへいが前ステしてきたら、視聴者は「おまえうぜえよ」ってなる。世の中、実力に見合わない奴が前ステしたら叩かれる。でも、生きるための手段を構築してる最中に傷を負わないなんて無理。新卒のサラリーマンだってめちゃくちゃ上司に怒られて鍛えられて食っていけるようになる。
叩かれる奴は人気者になる素質がある。怒られない、失敗しない奴は絶対人気者になれない。すごく嫌われる奴はすごく人気者になる可能性がある。失敗すると村八分になるけど。
・カワノは自分が一人で生きていく環境を必死で作ろうとしてる。おじを利用しつつだけど、利用できるものは何でも利用して、とりあえず生きていくための手段をというのを感じる。
・もしも自分がすごく悪いことを考えてるとか、ズルい事をしてると思ってたら、八方美人になっちゃう気がする。仲間に良くしてれば、世間に嫌われてもいいやって割り切れる気がする。
・俺はクズとかやべー奴、追い詰められてる奴が好きなだけど、何故かというと相手がおせっかいだと思わないから。俺が何かやるかって言ったら、絶対感謝してくれる。「いや、私にはまだ選択肢があります」という状況でやると余計なお世話になる気がして怖い。「おまえが俺に絡んで損することは1ミリもないだろ」って確信出来たら気が楽。



【ファイアーエムブレムに学ぶ若手登用の話】
・おじと雪山やってたら正直楽しいけど、”早く死ぬ連中”を擦ってるのはいかがなものかな?って思う。ファイアーエムブレムが好きなんだけど、登場した時から強い奴はあんまり伸びしろがない。使い込んだら最初弱い奴の方が成長率が高いから強くなることが多い。俺らが今やってることは、成長率がない強い奴らを使ってゲームしてる。そうするとゲーム終盤に詰む。最初出会った頃に弱かった兵士を使っておけば、クリアするころにはめちゃくちゃ強くなってたのに、即戦力じゃないという理由でパーティーに加えなかったがために終盤きつい思いをする。
・今は即戦力という理由だけで、おじを擦っちゃってる。これは良くないなと思ってる。
・この業界に執着があるし、続いて欲しいから、おじだけ伸ばしてもしょうがない。
・VISIONに来たばかりのときどマゴも全然つまらなかったと思う。(総師範KSK「全然、クソつまらなかった」)
VISIONは面白い奴が多かったから、良い環境だった。良い環境にいれば、クソつまらなかった奴も面白くなる。環境さえ用意してあげれば、みんな面白くなる。



【スポンサードを打ち切られる危機感】
・総師範KSK「日本のユーチューバーだとチャンネル登録者数10万人いれば食える。でもタイだと難しい。日本の環境は恵まれてる。」
・サイゲがBeastのチームスポンサーじゃなくなって、どうしようかなーってタイミングでミルダムがきたけど迷った。
・インフェクシャスとかはTwitchで配信してる。英語コメントがまだ出来ないので、それで配信させるのはかわいそう。
・PR BalrogとかInfexiousがミルダムで配信しないと、ふ~どと俺しかいない。スポンサードしてみたけど、あんまり意味なかったなって思われることに対する恐怖がある。この狂気じみた配信の量はそこから来てる。俺が配信しなかったら・・・って。
・そういうのは言って貰えない。微妙だなって評価でも「頑張ってくれてますね」って言われる。それで、契約が終わった時に「じゃあ、これで終わりで」って言われる。世の中って、ダメな時にダメだと言って貰えない。それが怖い。「もっと頑張ってください」って言って貰えるならいいけど。



配信では、総師範KSK氏がタイのeスポーツやストリーマー事情も語っています。
上記書き起こしの内容だけでなく、面白い話が多く、ぜひアーカイブを視聴してはいかがでしょうか。

配信アーカイブ
https://www.mildom.com/playback/10467370?v_id=10467370-1589901511