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座談会『ゲームと金』が2月18日(日)15時からRed Bull Gaming Sphere Tokyo(東京・中野)で開催されます。
格闘ゲーム業界、日本のeスポーツ業界の著名人が一堂に会する座談会です。


【開催日時】
2018年2月18日15時~

【開催場所】
Red Bull Gaming Sphere Tokyo(東京・中野)

【出席者】12名
ウメハラ(プロゲーマー)
ふーど(プロゲーマー)
ネモ(スクウェア・エニックス/プロゲーマー)
らや(一般ユーザー代表)
にゃん師(TOPANGA)
かげっち(Fighter's Crossover主催)
ハメコ(フリーライター)
西谷亮(アリカ)
浜村弘一(日本eスポーツ連合 副会長)
アカホシ(WellPlayed)
ガマの油(ボタンマッシャーズ主催)
梅崎伸幸(DetonatioN Gaming)

【議題】
1.「eスポーツ」の定義とは?
2.プロライセンスは必要?
3. eスポーツで日本を活性化できるのか?

配信アーカイブ
https://www.twitch.tv/videos/230230810

BeasTV配信URL
https://www.twitch.tv/daigothebeastv




以下、簡易まとめです。

2018-02-18 (1)

参加メンバーは「来てくれた人たち、出てもいいと言ってくれた人たち」
旬の話題だけに、出演を見合わせたいという人が多かった。
らや氏は一般ユーザー代表として参加。プロ志望ではない。


1.「eスポーツ」の定義とは?
ウメハラ:格ゲーをeスポーツとしてやってきた認識はない。

【アンケート】ドラクエはeスポーツか?
http://streampoll.tv/44491
西谷:何でも入れていい。e-sportsという語感が良くない。スポーツというとスポーツを想像してしまう。別の新しいものという捉え方をしている。
ふ~ど:オールOK。何でもいい。
アカホシ:eスポーツ用に作られているかどうかは関係ない。ルールを決めて競い合う状況を作る人が多ければその時点でeスポーツ。
ハメコ:世の中のゲームは自分たちで競技性を生み出すことが可能。無いことを証明することはできない。わざわざeスポーツと言わなくてもゲームでいいのでは?
浜村:競技性があることが前提。大会として運用していくルールも必要。発売して間もなくではなく、3か月くらいたってからのもの。RPGでもRTAのような運用ルールがきちんとあれば競技性がある。
ハメコ:競技性があるゲームについてメディアビジネスが成立するかどうかで判断される。
ネモ:柔道をスポーツか武道どちらで呼ぶのか似ている。オリンピックで盛り上がってスポーツと認知された。
かげっち:遊びがスポーツになって、スポーツがお金を得てプロスポーツが確立した。今のeスポーツは、プロスポーツのE化が違和感の原因。
ウメハラ:eスポーツとゲームを言い換える必要は全くない。ゲームでいい。言い換える理由はなぜなのか?
ハメコ:ゲームという文化を否定するのはもったいない。対戦ゲームでいい。
ネモ:自分はゲームとeスポーツを分ける。ゲームに興味がない人は、ゲームに対してイメージが悪い。そういう人達にeスポーツという言葉を使うと説得力がある。
浜村:eスポーツという言葉を使うかどうか最後まで迷った。世間的には分かりやすくイメージも良いという結論になった。この問題は海外でも議論されていて、解決しないと思う。他の案ではeゲームなどもあった。説明がつきやすい。

ウメハラ:ゲームなんだけど、eスポーツというと世間からよく見られるからというのが結論?
梅崎:スポンサーからよく「ゲーム大会なんでしょ?」と言われるけど違う。ただのゲーム大会というイメージではない。LoLの大会などファンが選手たちを応援する現場を見せることで納得してもらえる。
ハメコ:ゲーム大会でいいじゃんと思ってる。ゲームの価値を良くした方が長期的に見て良い。
かげっち:取材に来る人は「eスポーツの取材をさせてください」と来るが、自分の感覚ではゲームの対戦会、大会。注目度や、金になりそうみたいにな話になってくるということで受けている。
ウメハラ:潰れてほしくはないけど流行ると困るラーメン屋みたいな感覚がゲームにある。


【アンケート】「eスポーツ」はこれからも発展した方がいい?(お金と認知)

http://streampoll.tv/44492
ウメハラ:この業界が発展すると多かれ少なられ恩恵を受ける立場であれば賛成派だと思う。発展しない方がいい理由は、さっきのラーメン屋の理屈。
がまの油:活躍して上がってくるプレイヤーはかっこいいし、彼らを良く見せたい。eスポーツはその面でも便利。今までは好きな人だけ見ていたが、一般にアピールするためにeスポーツという言葉は便利。
梅崎:お金が絡むと、遊び環境が減ったり阻害されたりする不安があるのと感じる人もいるのでは。
にゃん師:立派なものになっていくと、ルールが整備されていく。この空間が好きだけど、それが変わっていくのが嫌だという人もいるのでは。
ふ~ど:趣味だとしても賛成。レベルが上がっていくから。
にゃん師:(eスポーツという言葉は)利便性があるから使う。ゲームだけど、世間体が良くて使い勝手がいい。



2.プロライセンスは必要?
【アンケート】「プロライセンスはあったほうがいい?」こちらから回答できます


らや:なぜライセンスについて有効期限があって講習を受けたりする必要があるのか?何のためにライセンスを定めるのか?運転免許証みたいなものなら不要。
浜村:登録をしていただいている感覚なので、継続する意思があるかどうか。選手として活動しているかの確認。プロライセンスを持っているとどんなメリットがあるのかという話をした方がいい。日本の法律を乗り換えないといけない環境がある。ライセンスを作った理由は2つ。1つはJOCに加盟して国際大会参加。もう1つは規制があってIPホルダーが賞金を出せなかった問題を解決するため。
国際大会に参加するプレイヤーを選ぶために、選手として活動している人を選ぶために期限付きの更新がある。賞金を渡してもいい人を証明するために、プレイヤーとして活動している証明も必要。

がまの油:ライセンスは賞金を渡すための手段であって目的ではないと思う。スポンサーの方が賞金よりも金額が多い。賞金はグレーなところがあるので、まず賞金ナシでプレイヤーたちがどれだけかっこよく見せられるかというのがあっても良いのでは?
浜村:無名の選手がライセンスを持っていることで、スポンサーが見つけやすくなる。今の現役には意味がなくても、若手にとっては意味がある。
ハメコ:プロライセンスがなくても労務契約で賞金を出しているという話があるが?
浜村:なぜそのように言うのか分からない。新聞にもあったように、景品表示法の表示対策課が「プロへの報酬なら問題ない」と出している。消費者庁に5回もいって議論している。消費者庁から2つ意見をもらった。
1つは無関係の第3者がお金を出すこと、もう1つはプロライセンスなら分かりやすくその人が高度なパフォーマンスを出せるということが言えるので、報酬として払う。整理がしっかりできるという話をされた。
その意向を受けて、プロライセンスが良いと議論した。JeSU側にもCESA等の団体に法務担当がいて、しっかり議論してこれなら大丈夫という形で作った。それを消費者庁、関係省庁(警察庁にも経済産業省等)にも問題ないと言われている。
世耕大臣が、プロに対する報酬なら問題ないという趣旨の発言をしている動画もYouTubeに上がっている。(2月7日の国会答弁)
これをグレーだと全く思っていない。

ネモ:ライセンスの報酬は副業なのか?自分の場合はスクエニに二重労働契約を認めてもらってライセンスを発行している。
浜村:副業にあたるかどうかは会社の判断による。所属してる団体と話してもらうしかない。
ネモ:それを知らずに会社の方から突っつかれたときにどうしたらいいのか?
浜村:事前にライセンスを貰う前の段階で、書面で確認してくださいと伝えてあるはず。そこで確認頂けている、個人に任せる以外に方法はない。

ハメコ:賞金ではなく労務契約なのか?賞金なら会社に確認する必要もないと思う。
浜村:賞金は報酬であるという立て付けでやっている。確認が必要な会社とそうでない会社があると思うので、個人に確認してくださいと。
ハメコ:もし労務契約ならライセンスは賞金を支払う上で必要ないというのは正論だと思う。そうでなかった時にライセンスが本当に必要かどうか知りたかった。
浜村:消費者庁と話したときに、プロに対するライセンスは問題ないという話をしていた。どういう大会ならプロと呼べるか?いろんな大会がある。どこからどこをもってプロとするか明確な定義が出来た方がよい。何人の大会でなければだめだとかレギュレーション作っていった。
消費者庁からは、そうした形であれば整理がつきやすいという話。

ネモ:海外の選手はライセンスを発行しないのか?
浜村:今回の対象は日本居住の選手のみ。ただし推薦選手という制度があって、海外からの招待選手はライセンス発行に値するということでメーカーからの推薦で発行できる。
ネモ:日本人選手が賞金はいらないから大会に出たいといういうことで、予選に参加したときにライセンスを取れないのか?
浜村:公認大会の場合は、アマチュア参加のものかプロだけのものか決めて頂く。プロアマ混合の場合は、予選から上がってきたアマチュアをプロ認定したりプロになりたくなければ賞金を拒否して頂いても構わない。どういったレギュレーションの大会を作るかはメーカーからご相談いただく。

にゃん師:生主やYouTubeがステージに出るのも労務契約。それはライセンスがなくてもいい。大会でも同様にライセンスを貰わなくても労務契約で可能なのでは?
浜村:メーカー側の理論として、どういう大会になるかわからない状態で一般の人と労務契約を結んで、大会が10人しか集まらなかったら景品表示法と関係ないという話では通らない。法の抜け道にしかならない。
景品表示法は賞金で一般の素人の人たちを釣ってしまうことが問題となっている。
お金を払っていいプロの線引きが必要だった。そのためのライセンス。
アリカ:1月16日の説明会前日までは、ネガティブな印象だった。資料を見て説明を聞いて納得した。出だしが悪い印象で捉えられていたので、16日の資料と話があればここまでならなかったのでは?
浜村:それについては申し訳ない。今の段階で完璧なものを作っているという認識はなく、実績を作りたい、急いだところがあった。メディアに出るよりも、選手の方たちへの説明を優先していく。
公認の大会だけを賞金付き大会とは思っていない。メーカーが承認している大会を止めることはない。今あるものを否定するつもりはない。活躍の場が多ければ多いほどいい。
アカホシ:連合の仕組みを使うか、メーカー独自の仕組みを作るかという話もある。
浜村:全然邪魔する意図も、加盟を強要することもない。
アカホシ:認定タイトル以外の賞金付き大会に出た場合の処罰については?
浜村:問題ない。あれは、IPホルダーが承認しない大会があった時に、そういう大会は出ないでほしいという例外。基本的に止めることはない。
かげっち:一から作ってメーカーの許諾をとるのは大変だと思うので、もっと取りやすくなればいい。
浜村:大会の開催数が増える要望であれば、ぜひJeSUに連絡して頂きたい。
ふ~ど:プロライセンスの大会がどれだけあるのか発表されていない。プロライセンスを持ったら食べていけるかどうか思えることが重要。
浜村:IPホルダーがやる大会は、今後大会をやる予定がなければ公認大会として認定していない。必ず大会をやっていく。その発表はメーカーに任せられる。連合としては次にTGSでやる予定。
ふ~ど:大会があとどれだけあるのか、賞金で食っていける人が何人いるのかと考えたときに、お小遣いを貰える感覚で大会に参加できる権利みたいなものだと思った。それならなくてもいい。
もっと大会数やどれだけ稼げるかみたいなことを明確にしてほしい。
浜村:今後の大会の数や頻度は確認したが、発表はいつか決めていなかった。出来るだけ伝えるようにしたい。協賛、スポンサーの方も働きかけていきたい。現在、頻繁に「プロは何人いるか?」「どうしたらサポートできるか?」といった連絡が来るようになった。お金を取るようなこともないし、選手に直接働きかけるなどしていきたい。実業団みたいな話にも、説明していくことで若手の環境を作っていきたい。
梅崎:PC系タイトルは少ない。もっとタイトルの幅を広げてほしい。
浜村:国内外から多数問い合わせがきている。たくさん競技性のあるタイトルが出てくる可能性がある。

がまの油:ライセンスを与えるプレイヤーの選び方に不満があるというプレイヤーが何人かいた。ランキング上位に与えたり、予選会をやったり選抜方法に違いがあったり、切り捨てられたプレイヤーは除外されたプレイヤーがいた。今後多くのプレイヤーがライセンスを獲得できるようにしてほしい。
浜村:ライセンスの獲得方法として、メーカー推薦の方と、連合のレギュレーションにそった大会で優秀な成績をおさめた方がいる。
公認大会を開催できるのはIPホルダーに限らない。ライセンス発行大会をIPホルダーが許可すれば開催できて、たくさんあればあるほどライセンスが多くなる。

ライセンスを貰った理由
ネモ:自分はCESA協力のもとやっていくというのがあったので、ライセンスを発行した。
ふ~ど:お得だなと思った。貰えるなら貰った方がいいと思った。
ウメハラ:自分は格ゲープロになる時に、どっちの方がワクワクするか妄想の余地があった。今回は整理整頓するという話だと思う。損得がない人からしたらどうでもいい話。
自分には出来ない、仕組みを作ってくれる人たちの邪魔をしたくなかった。
自分の信念として、邪魔する人はまっすぐ歩いている人の前に絶対いけない。自分の人生の方向性を変えたくないから、ライセンスってどうなの?と正直思ったけど、邪魔したくない。
今回のプロライセンスはワクワクするものがなかった。でもみんなが一丸となることで、ワクワクすることができたら協力したいと思った。

質問:ライセンスはく奪や、監視みたいなものはあるのか?
浜村:ないことはない。チートをやっていたり、八百長とかをやっていた場合ははく奪される可能性がある。

質問:法整備が整ったあとで、プロライセンスをこれからどう変化させていくのか?その時点でプロはライセンスを保持するか放棄するのか?(法改正で海外と同じ賞金が貰える状態になったら)
浜村:ライセンスはまだ完全なものではない。選手の意見を聞いて整備していきたい。
ウメハラ:JeSUに求めるのは賞金じゃない。一丸となってやるためのもの。
ネモ:日本で大きなイベントをやっていこうという流れには肯定的。ライセンスについてはケースバイケース。
ふ~ど:マイナスじゃなくてプラスがあればいい。

質問:労務契約である点をもっと強調する必要があるのでは?
浜村:説明していくようにしたい。

質問:木曽崇氏の質問に回答する意向があるか?
浜村:正式に回答求められたら、状況に応じて回答する。揚げ足取りのコメントもある。勉強になるところは勉強したい。反対のための反対なら答える必要はない。



3. eスポーツで日本を活性化できるのか?

浜村:大きな銀行や証券会社が、大会をやるならお金を出したいと言ってくれている。どういうことが出来るか情報共有しながら作っていきたい。

浜村:選手が注目されることが必要だと思う。大会をどこまで盛り上げられるか。演出を考えている。
YouTuberに発行するのは考えていない。真剣にやっている選手だけ。

浜村:JeSUに関しては理事は無給でやっている。専務理事、事務局長、事務局員が給料をもらっているだけ。会員から貰うお金が3000万~4000万くらいで、職員の給与で消えてしまう。
協賛金を集めるために、代理店と相談したりしている。
企業に登録プレイヤーをアピールしていきたい。団体が出来ることで海外からも問い合わせが来たりする。

ウメハラ:海外が本場になっているのは悔しい。EVOを越えたい。
浜村:社交辞令かもしれないが韓国にいったら、3年たったら逆転するかもと言われた。

ハメコ:見る人ではなくやる人を増やす努力をしないと続かない。
がまの油:コミュニティをもっと支援して欲しい。
ハメコ:ゲーム大会に500万円賞金を出すならコミュニティに金を出してほしい。
かげっち:後でカプコンから怒られるかもしれないが、今はメーカーからお金を出してもらってない。むしろ許諾出してるんだからお金払ってくださいという状態。ライセンス許諾&JeSU公認イベントにはIPホルダーに支払っているライセンス料を何らかの形でサポートして欲しい。

ネモ:ゲームは面白くないと続かない。やめたければやめていい。育成は考えてない。自分みたいなプレイをしたら、面白いと思わせるようなことをしていきたい。
こうやったら育つとかでなく、俺のプレイやってみたら面白いからやってみなよみたいな感じでプレイを見せることが育成につながると思う。



にゃん師:プロゲーマーが職業として成り立つ土壌を作ることが必要。セカンドキャリアが現状では手探り。プロを引退した後、プロになれなかった人の受け皿を広げたい。
浜村:団体が出来たときからの重要なテーマ。いろいろな方法があると思う。韓国では年金制度もある。文科省から補助金も貰っていて、取材しているので、選手たちと議論する場を作りたい。


わや:若手の中では、先が不安定すぎて打ち込み切れずに散っていくことがあるので、プロゲーマーの道を出来るだけ早く示してほしい。
ウメハラ:楽しいことにはリスクもある。何でも保証すると甘すぎる、その環境でスターが育つのか疑問。
ネモ:自分も将来不安でプロにならなかった。10年勤めた会社を辞めてまでやろうと思ったのは、eスポーツの発展があったから。プロゲーマーが終わった後何ができるか模索しているし、見えていない。でもワクワクしながらやっている。スクエニに入ったからこの人は安定していると思われたくない。
梅崎:人生をオールインする熱意を見せれば、いろんなところが手を差し伸べてくれると思う。
ハメコ:コミュニティ側の力が弱すぎる。本当にゲームの好きな人をみんなで評価できるようにした方がいい。コミュニティ推薦枠も欲しい。その人たちのおかげで外の人たちにプロの価値を伝えられた。
コミュニティにお伺いを立てるとかではなく、あるのに、利用すればいいのにという気持ち。
浜村:いくらでも利用して欲しい。

座談会『ゲームと金』が2月18日(日)15時から実施!!メンバーはウメハラ、ふ~ど、ネモ、だいこく、にゃん師、ハメコ、西谷亮、浜村弘一、かげっち、らや

http://chigesoku3.doorblog.jp/archives/52955878.html