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1月12日(木)に行われた『Daigo the BeasTV』配信で、ウメハラ選手がガイルを使うという事に対しての思いを語りました。
マゴ選手も出演し、2016年3月でMad Catzとのスポンサー契約が満了した後のアマチュアとして活動した1年間について語りました。

ガイルを使って勝ちにこだわるプレイが楽しくないと語るウメハラ選手、プロとしてスポンサーや周囲の期待に応えるため勝たなければいけないというプレッシャーを感じていたマゴ選手。アルコールも入って普段聞けない本音が垣間見えた配信でした。


配信アーカイブ
https://www.twitch.tv/daigothebeastv/v/114194738?t=01h35m30s




以下、ウメハラ選手、マゴ選手のコメント書き起こし(一部抜粋)です。



ウメハラ選手
ガイルはやめようと思ってる。サブで使うけど。
もしシーズン1の時に、誰よりも努力した・強かったな・真剣に取り組んだという気持ちがあればガイルだったかもしれない。でもそうじゃない。
俺が使えるキャラ強キャラだよラッキーみたいな。
昔ガイル使ってたから俺がガイル使ってOKっていう言い訳は立つ。
ガイルが強いから、使えば勝つじゃんっていうのは嘘ついてるみたいで嫌。
もう一人俺がいたら、カッコ悪いと思うから恥ずかしい。

リュウ使って勝つ。ザンギもバイソンもガイルも倒す。リュウを使うから勝てなくてもしょうがないなんて気持ちでいることはない。
ガイルはワクワクしなかった。
ガイルと対戦した時に圧倒的なパワーに折れそうになる。
ガイル使って練習してる時に、仕事をしてるなと思ってしまった。
スポンサーがいる、プロゲーマーだから勝たなきゃいけないとか、あるべき姿を見せるためにやってるんじゃないかなという気になってしまった。
ガイルが悪いともずるいとも思わないけど、いつからゲームが遊びじゃなくなっちゃったんだろうなって思っちゃった。
勝つ前提でスポンサーになったり応援してくれる人がいるから無責任かもしれない。
心の底から好きになって、人生棒に振るくらい夢中になったものがお仕事ですからガイルですってなっちゃたんだなって、ふと思ったら「一生格闘ゲームで楽しむことが許されないかわりプロゲーマーやっていいよ」って言われるのと「プロゲーマーじゃないけど格闘ゲーム好きに遊んでいいよ」って2択迫られたら俺はたぶん後者なんだなってことが長い時間かけて分かった。それでリュウ。
それでスポンサーがなくなったらしょうがない。Youtuberやるしかない。
頼むよ、何回もクリックしてくれ。たぶんそんな面白くないと思う。
リュウ使うからといって勝ちを諦めるわけじゃない。むしろ勝ちに対して渇望が飢えてる。絶対勝ちたいと思ってる。ガイルを使うよりも勝つ。


(ここでマゴ選手登場)

マゴ選手
なんだかなんだでアナタ(ウメハラ選手)、ガイル使わないんですよ。
使ったのは(2010年の)カナダカップだけ。

ウメハラ選手
あそこは正直勝ちたかった。

マゴ選手
あそこだけは、その場だけでいいから勝ちたいって感じた。
リュウはちょっと厳しいなって。
カプジャムの時もその場だけを選んだらガイルだったと思う。

ウメハラ選手
俺がプロゲーマーやってて思ったのは、遊びでやってきたものが評価されて金になった。
金になるから金に寄せるとなると、破綻するんじゃないかと思ってた。

マゴ選手
ゲームは所詮、娯楽だと思ってる。
楽しみ方を忘れてしまったら、それはもう娯楽じゃない。
これは○○ マゴとか(スポンサー)ついてたら絶対言わない。

ゲームはスポーツですとか言うけど、今は気楽なポジションだから。

ウメハラ選手
ガイルは強いし、ガイルを使う事は否定しない。
お酒飲んでる時に、楽しければ楽しいほどトイレいくと「あ~でも35か・・・」って思っちゃう。
俺が怖いのは少年の心を失うのが怖い。
ガイル自体は好きだし、良キャラだと思う。
でも今の俺がガイルを使うのは、これはもう少年じゃない。色んな責任を負った大人。
酒飲みにいった時に、俺も年食ったなっていうのに拍車がかかっちゃう。
でもリュウを使い続けてたら、まだ35じゃねーかってたぶん思う。

マゴ選手
トイレはふと我に返る。

ウメハラ選手
35っていったら普通、2児の父。

マゴ選手
しかもマイホームも買うか買わないか。

ウメハラ選手
でもザンギエフにハメられてイライラして、3回連続スクリューしてきたことに腹立ててトイレいったら「何やってるんだろうな」って思う。
俺たちみたいに格ゲーを真剣にやっちゃってる人間には、納得のいくルールはドネーションコロシアムみたいな長期戦。

俺がプロ活動で一番ショック受けたのはゴッズガーデン。
なんでプロなのにこんな順位なんだって自己嫌悪になった。
カナダでは、その時に完全勝利を収めたマゴに、俺の持てる全部のスキルを駆使して勝ちたかった。
リュウでダメだったから、それでガイル使うしかねーなってなった。

マゴ選手
俺は格ゲー歴が15年くらいある。ウメハラ選手と会ってから15年くらいたつ。
若い頃は、ウメハラ選手にライバル意識があってその時はシステムの穴とか突きまくってた。
年月がたって、お互いプロゲーマーになることもあった。今は違うけど。
ウメハラ選手が格ゲーで常に新しいものを求めている姿勢を尊敬している。

ウメハラ選手
eスポーツを否定する気はない。頑張ってくれよという気持ち。
俺らが格ゲーやってる時はオタクの巣窟みたいな感じで、バイト先で「梅原さんって趣味何なんですか?」って聞かれたら、映画鑑賞とか嘘ついてた。
8時間ゲームやって2時間映画で、趣味映画は嘘。
今は若干良く見せようとしてくれてる人がいるけど、俺からしたら変態な趣味を持ってる連中の集まり。
大多数に受けるように、自分の信念を曲げることも出来なくもないけど、それをやってしまうと今までの俺は何だったんだという話になる。
プレイヤー目線でありたい。

マゴ選手
格ゲーは刺激を求める生き物。
対戦していて相手が新しいものを提供してくれると、凄く楽しい。
それに対して自分がどういうものを用意するかワクワクする。

ウメハラ選手
俺から(マゴ選手に)言えるのは、プロになろう。
一緒にマゴのプロ化を手伝おう。
今年1年プロじゃない中で活動してみて、お前の中のプロの肩書きは何だと思ってる?

マゴ選手
世間的にはスポンサードされてチームに所属していればプロという感じだった。
でも契約が満了して、世間的にアマになった。
その時に変わった、戻った部分と戻らなかった部分があった。
根底にあるものは何も変わってない。
プロという自覚があるときは、押さえつけてる部分があった。
勝たなきゃいけないとかを全面に出さないといけないような気がしてた。
勝たないとプロじゃない、体裁が保てないみたいな部分があった。
勝った時はそんなに嬉しくないのに、負けた時はいつも以上にへこむ。

ウメハラ選手
それはプロゲーマーだけでなく世の中の仕組み。
勝ったらまあこんなもんか・・・と思うのに、負けたときにやたら背負う。

マゴ選手
今、アマでやってる中で、大会に出ていて勝ちたい気持ちはあるけど、負けた時に自分の中での悔しさだけで
周りの期待を裏切ってしまったというのもあるが、プロだった時とは少し変わった。
配信のコメントとかで『プロなのに』とか今は言われない。
そういうのがちょっとしたプレッシャーになってて、勝たなきゃいけないとなっていた。
次第に勝ちたい動きになっていって、動きが悪くなっていったけど、今回はそういうのがなかった。
それで1年間やって、カプコンカップ2016でミカに負けた時は泣いた。

ウメハラ選手
ミカ戦しかやってないのにミカに負けたんだなと思うと、(自分がその立場だったらと思うと)なんとも言えない気持ちになった。

俺は不特定多数の人にどう思われても気にしない。
気持ちの上では俺は35だと思ってないし、言いたくない。
ただいい年こいてゲームで遊んでるだけで、それを世間が価値を認めただけ。
カプコンカップとかトパンガリーグでいい成績を残しても、ただのゲーム好き。

マゴ選手
ゲーム好きというのは最高の褒め言葉。
ゲームが好きじゃない奴がプロになってどうすんだと。

ウメハラ選手
俺の中ではただゲームやってるだけで注目されて恥ずかしい。
それで注目されたらゲーマーっぽくないことを見せようとしちゃう。
講演とか、事実出来ちゃう。
でも違和感がある。

マゴ選手
楽しむのが全てだと思う。

ウメハラ選手
大会に出る側も見る側も楽しんで欲しい。

マゴ選手
みんなの求めるプロゲーマー像みたいなのには、俺はなれない。
全力でゲーマーを目指す。

スポンサードされたらスポンサーのモノだとかの宣伝は、本当に好きになってしたい。
アマになった1年間、これから先2年、3年、10年かもしれないけど一度プロになってアマになって気付いたものは大事にしていきたい。