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中国のゲーム情報サイト「遊天堂」の元関係者で、現在も個人として掲示板管理に関わっているセイリオスさんから、中国の格ゲー事情についてお話を頂きました。

セイリオスさんは2014年頃にあった韓国の大会で、かずのこ選手の配信を通して日本の皆さんと接触した事があるそうですが、時間がなくてすべてを伝え切れなかったそうです。

このたび頂いたメッセージは、日本の皆さんに中国格ゲー界の現状とプレイヤーについて知って欲しいというセイリオスさんからの熱い情熱が込められたものになっています。

過去にも当サイトで中国のKOF97事情について記事にしたことがありましたが、今回はKOF97だけでなく中国格ゲー界の真相に迫る内容となっています。


↓こちらが「遊天堂」掲示板です。ストVのコーナーもしっかり用意されています。
http://bbs.17utt.com/forum.php




以下、セイリオスさんからのメッセージを一部加筆修正して掲載します。
(サブタイトルは管理人が勝手につけました^^;)



中国における格ゲーの現状

まず、中国の格ゲー現状を少し紹介しましょうか。

ご存知の通り、中国の格ゲーは2種類に分けられています。「97」と「97以外」ですね。
KOF97(以下97)はとても特別です。
中国人の特徴は、いかなる領域にでも「すぐに勝ちたい、すぐに結果を見たい」です。
現在全中国社会はこの雰囲気なので、格ゲープレイヤー達も所詮社会の一部にすぎないので、当然こういう特徴もあるのです。
だから、もっとも勝ちやすいゲーム「97」は、第一選択になりました。
そこまで救いようのないやつでなければ、1ヶ月くらいの練習でそれなりに勝てるようになります。
勉強が必要なのはコンボルートとセットプレイのレシピだけですから。

また、2000年に中国の7つの政府機関が共同発表した”ゲーム機禁止令とゲーセン運営禁止令”の存在が大きかった。
あれ以来、正規ルートで日本のゲームが中国に入るのはほぼ不可能なのです。少なくともオフィシャルではそうです。
この禁止令は去年(2015年)ようやく解けました。でも、ゲーセンという業種は、既に潰されました。
再起不能なくらいにね。現在中国各地にゲーセンは確かにあるんですが、経営状況はあまり良くなくて、
別の暗黒収入がなければ死ぬと言う現状です(暗黒収入はここで討論したくないです)。



KOF97について

また、「97」は確かに勝ちやすいゲームではあった。
ライフ少なく、スタン値高い、強キャラと弱キャラの能力差はデカ過ぎ、バグもそれなりに多いし。
この全てを利用して、10数年の研究で、数キャラだけが戦えるゲームに生まれ変わった。
おまけに、97の海賊版は安すぎる、どんなに小さなゲーセンでも買えるレベルだし、
みんなやってるから、どのゲーセンでもある。対戦相手はどの街でも見つけられる、オンラインでもね。

今中国大陸において97をプレイするにはいくつの”プレイヤールール”を守らなくては行けません:

1.投げ超必殺以外、超必殺を単発はNG。
元々は八乙女だけ禁止したんだが、(神楽)ちづるの布陣、紅丸の雷光拳があまりにも強すぎたので合わせて禁止。あげくに投げ以外禁止、でもコンボ中ならいいです。
2.永久コンボ禁止、でもなぜがテリーのクラックシュートによる一撃ピヨりコンボ(※)は禁止されてない。
(※原文では「クラッシャーキック」正確には『214Dと214B』を入れたピヨりコンボとのこと。中国のプレイヤーには214Bと214Dは同じクラックシュートでも違う技として認識されているようです。
レシピは画面端5D→3C→426B→214D→214B→最速JC(ピヨり)。)
3.空中に立つ(浮遊)バグ禁止。
4.なぜが大門のバグ地雷震はみんな使ってる、禁止されてない。
しかもいろんなパターンが開発されていて、大門が最強キャラの一角くらいに持ち上げられたマリーのバグ投げも。

(大会ルールについて、もう1つ補足して頂きました。)
大会では隠しキャラの暴走庵と暴走レオナ、暴走社、シェルミー、クリスは、みんな使えないです。理由はキャラ性能が強すぎるからです。

また、大会では2先とか3先とかはなしに、ベスト8に入った時点から10先とか20先になります。
97プレイヤー曰く「97は偶然性が大きいので、短期戦では大会にならない。
これにより、97の大会はものすごく長いものになった。でも97プレイヤーたちは楽しんでいる。

(補足:中国での大会形式についても質問してみました。)

中国でのトーナメント形式は大会によると思いますが、オープントーナメントの場合、基本的にグループ戦(プール)は2先。グループ(プール)を抜けたら5先、ベスト8は5先か10先、ベスト4は10先か15先で、決勝は15先か20先が普通です。
2ライフ制(ダブルエリミネーション)はありません。

招待制の大会は、(選手の数が少ないので)最初は5先のケースが多いですが、あとは一緒です。

最近は2ライフ制の大会も増えてきたそうです。それでも5先くらいで1セットが普通です。
僕の知る限りでは、去年とある大会(8人制トーナメント)で最初から10先で行われ、8人しかいないのに2日かかって、2日目の夜にようやく終わったという感じです。

僕はこれが嫌いなので、僕が主催した大会は決勝でも5先くらいのが多かったですが、現在はもう97や98の大会を触らないつもりなので、こういう短い「決勝」の大会は今後なくなるかもしれません。

ちなみに来週末(5月28日・29日あたり?)に、僕は友達と一緒に深セン現地のスト5大会を開催します。シャオハイと大口と一部の香港プレイヤーが参加予定です。

また、シャオハイ(Xiaohai)、大口(Dakou)はこのゲーム「97」において、最強ではない。
シャオハイはおそらくベスト10にも入れない。大口は論外くらいです。(98ならば話は別です)

このゲームは今でも人気があり過ぎて、中国格ゲー人口の7割くらいやってます。
生放送(配信)でも一番多いです。去年のUリーグ決勝戦はなんと50万人以上が視聴しました。



KOF97以外の格ゲーについて


ここから”97以外”を少し話しましょうか。

まずは鉄拳、中国の鉄拳プレイヤーはそれなりにいます、女性プレイヤーもいる、レベルはそこまで高くない。
鉄拳6以降の日本のゲームは日本のネットワークやカードの使用が必要で、しかも筐体の値段が高すぎて海賊不能なので導入するゲーセンはほぼない。これは鉄拳だけじゃない。スト4以降、バーチャ5FS、ブレイブルーなども、同じ状況です。
この現状はどうしても改善できないので、みんな97、98等しかやれません。
だって新しいゲームを触る機会すらないんだ。

家庭用ゲーム機でも、元々中国は「ゲーム機は子供たちにとって良くないので必要じゃない、しかも高くてゲームしか出来ない」と言う認識があるので、僕と同世代のプレイヤーたちはパソコンでしか遊ばない。
彼らにとって、ゲーセン以外にプレイー出来るゲームは、PCゲームくらいですーーーあの時代のPCゲームは、格ゲーがない。
2000年の禁止令が発表されて、状況はよりひどくなったのです。

だから僕は理解できます。なぜ「97」のプレイヤーは、他のゲームを触らないってね。
現状はこうです。「97」は彼らにとって「格ゲー」そのものです。



シャオハイの偉大さ

スト4をきっかけに、僕(と僕の元会社)は中国各地でスト4の大会を主催しました。
マゴさんを中国に招待したり、中国プレイヤーを海外に送ったり、いろんな手段を使って、ようやく一部「別ゲーム」のプレイヤーを養成した。


この中で大きかったのは、シャオハイの2007年から今までの一連の勝利です。
彼は「97」以外のゲームでの数々の勝利で、国内ユーザーたちの注目点をそのゲームに導いた。
だから僕にとって、シャオハイだけは特別なプレイヤーです。
幸運なのは、中国はシャオハイ一人だけではない。いろんなプレイヤーがそれぞれの決意で、世界に挑みたい。
不幸なのは、今世界で通用できるのは、シャオハイ一人だけです。
シャオハイのあとで勝てるプレイヤー、今はいない。
しかも、この悪環境で、シャオハイたちの力になれるプレイヤーもいない。

最近のスト5もそうだった、中国にはサーバーがないです。
中国プレイヤーがスト5をプレイするには、香港サーバーがベストな選択です。
また、国家の政策により、中国のネットワークの複雑さはおそらく全世界一で、ネットワーク回線速度はあまりよくない。スト5をプレイする際にラグやネットワーク切断はつきものです。
まともな対戦すら難しいから、シャオハイ達のレベルの低さはわからなくもないです。
それでもシャオハイたちは世界に挑みたいです。
これが現状です。


(補足:KOF97以外の別ゲー勢についてさらに詳しく教えて頂きました。)
元々中国には「別ゲー勢」は存在したのです。ただ97、98のプレイヤーは余りにも多すぎてこれらプレイヤーは注目されなかったのです。でもスト4をきっかけに、これら少人数のゲームも少し人気が増えたです。

今の局面にたどり着いたのは、決して僕や僕の元会社の力だけではありません。
みんなの力を合わせたからこそ、できたのです。
(97のプレイヤーの一部が別ゲーをやり始めたのが大きいです。)

また、1999年と2000年は、KOF99とKOF2000が正規ルートで入れられる最後のKOFです。
でもこの2つのゲームの主人公は草薙や庵ではないため(しかも勝つまでは練習する事項が多い)、人気出なかった。

ストIII,3rdは、全中国において5台くらいしかない、プレイヤーの大半は上海の方でした。



以上、セイリオスさんからのメッセージでした。




以下、参考資料を動画も含めていくつか掲載します。

中国がついにゲーム機を全面解禁。巨大市場に新時代到来?!

http://www.d2c-smile.com/201502053921

中国では今、KOF97が大人気?!大会の視聴者が50万人超え、トッププレイヤーの配信は視聴者10万人!!

http://chigesoku3.doorblog.jp/archives/42552171.html

シャオハイが語る『KOF97が中国で人気な理由』

http://chigesoku3.doorblog.jp/archives/47625670.html

ゲームカタログ KOF97
http://www26.atwiki.jp/gcmatome/pages/2391.html





コンボ動画








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