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ono-psx2015



アメリカ・サンフランシスコで開催中の『PlayStation Experience 2015』でカプコンの小野氏とバンダイナムコゲームスの原田氏が格闘ゲームについてのパネルセッションで語った内容を書き起こします。



録画はコチラ
http://www.twitch.tv/playstation/v/28498119
44分頃から小野氏、原田氏、セス・キリアン氏が登場




小野氏
今回のスト5のビジネスモデルが格闘ゲーマーにぴったり合うのかコミュニケーションを取りながら、間違っていれば修正したりしながらやっていきたい。

原田氏
ところでシーズンパスはいくらするんですか?

小野氏
PSストアをまだ見ていないので、自分もよく分からない(笑)
30ドル?結構するね。

原田氏
あぁ・・・・エクスペンシブ(高い)

原田氏
格ゲーは今やプラットフォームが家庭用(コンソール)になっている。
ストリートファイターのようなスーパーやダッシュ、ウルトラみたいなモデルは今の若い人たちに合わなくなっていると思う。

原田氏
格闘ゲームはどんどん難しくなっていると言うが、元々難しく奥が深い。
最近は適当に入力しても技が出たり簡単になっている。
簡単にすると納得してくれるのかといったら、そうでもない。
初心者がどうやったら興味を持ってくれるのか?という問題と操作の問題は
分けて考えるべきだと思う。

小野氏
オンラインプレイはスト4時代から課題になっている。
オンラインは対戦という経験も大切だが、オンラインだからこそ出来るコンテンツにも注力している。
例えばYouTubeやゲーセンで見る事が出来なかった上手い人のリプレイを手軽に見る事が出来るとか。
スト5に関してもネットは光の速度よりは速くならないので、うまく騙すようにしているが
それ以外の部分で、自分がプレイしたいレベルの対戦相手をみつけやすくするなどして
ゲームをいかにやりやすい環境にもっていくかという方向にオンラインを持っていくほうが
今の格ゲーにとって良いのかなと思う。

原田氏
鉄拳レボリューションはオンラインに特化したゲームだった。
あれは500万DLくらいあって良いサンプルだった。
あの時に欧州とアジアの人達から、オフラインのパッケージで欲しいという声が多かった。
あれだけダウンロードされてもオフラインの需要があることに驚いた。
そういう事があって、オンラインオンリーということへのプライオリティは自分の中で下がっている。

小野氏
ストリートファイターに一番質問して欲しくない事は、ストーリーモード。
ごめんなさいとしか言えない。
5では頑張っているが、6年か7年後くらいにはストリートファイターもストーリーモードを頑張ってきたなと言ってもらえるようになったらと思う。

(ストリートファイターのハリウッド映画はまた作らないのか?という原田氏からの質問に)
先日出したアサシンフィストという実写作品の評判が良かったので、それに負けないように本編も頑張りたい。

原田氏
鉄拳とストリートファイターは似たようなビジネスをやっているように見えていると思うが実は違う。
4400万本中2200万本以上が欧州で売れていて、かならずしも全員が競技者ではなく
家庭で1人で遊んだり兄弟と遊んだりしている人もいる。
ゲーム性として競技性の部分と、1人でストーリーモードも楽しめるようにうまく内包しないといけない。

対人戦の面白さは普遍のものだと思う。
将来的にしたいのは、今のたいしたことないAIを自分と同じように成長していってくれるような
ライバルになるような素晴らしいAIに出来たら1人で遊んでも対戦自体が面白いゲームが出来上がるないかと思う。
人工知能的な部分が将来の格ゲーの2つ目のキーになるのではないかと思う。

小野氏
こんなに真面目な話をする原田氏をはじめて見た。

原田氏
実は上司が2人来ているので・・・。

小野氏
日本は12月がボーナスの査定の時期だからね。

原田氏
去年の段階で問題発言が多すぎて基本給をかなり下げられているので大丈夫。

小野氏
原田君の上司の方、彼も子供が生まれてお父さんになったので考えてやってください。

原田氏
ちなみに1歳になったばかりの娘の名前はアリサです。たまたま鉄拳のキャラと同じ名前。

小野氏
ゲームと同じ名前つけてバカじゃないの?!というのが、うちの妻の見解(笑)

小野氏
もしこれからの格ゲーのキーが見えている人がいたらカプコンに入って一緒に格ゲーを作りましょう。
日本でもアメリカでもポジションを用意しているので、ぜひ応募してみて下さい。

原田氏
仕事ではすごくシビアな男なので、彼の部下になるのは嫌ですけどね。






YouTubeには今回のイベントにあわせて小野氏の動画もアップロードされています。




ストリートファイターは誰が強いのか?という本質をついたゲーム。
格ゲーは時間が経てばたつほどプレイヤーが研ぎ澄まされていく。
7~8年たっているので、それを一度崩してゼロベースでもう一度誰が強いのか?としたいのでスト5を作った。

5は既存のキャラも新しいキャラも、なるべくシンプルにステーキの味が味わえるとこまでいくようにして
もっと深く味わいたいならどんなものをかけるか、どの店に行くかみたいな吟味できるところは残している。
まずはサッと食べてもらいたい。

ストリートファイターを作るに当たって注意しているのは、ビデオゲームであってビデオゲームではないということ。
ストリートファイターはあくまでも野球のようなツール。
それをどう使いやすくするかが重要。

もちろん波動拳のコマンドが逆になるとかはないが、ケンやキャミィ、春麗を使ってみると
昔の雰囲気は残っているが別キャラのようになっている。
ただ別キャラになるほどエッセンスを削いではいない。
開発チームでは『斬新すぎない改革をする』ということを徹底している。
それでいて見た目に関して思い出どおりの成長しているというのをどう描くか。

コマンドや操作性を変えても攻め方や立ち回りなどエッセンスは春麗、というのは外せない。
それでも成長してて欲しいなというのは、決してオバサンになったりザンギエフみたいになる事ではない。
枠を絞った改革というのがスト5での進歩だと思う。

新キャラへのアプローチはよく聞かれる。
誰が使ってくれるのか?どういう人に向けたものなのか?を意識している。
今はどの地域の人たちがプレイしてくれているかデータが分かるので、この地域の人たちに向けたものを作ろうとなったら、その地域に根ざしたキャラや格闘スタイルにしたいがなかなかない。
なのでバトルデザイナーが今度はこういうスタイルのキャラを入れたいとなったら、それを一番使ってくれそうな地域と合わせてラシードのようなキャラが生まれたりする。

カプコンは20年前のスト2時代に全国大会というe-sports的なことをやっている。
プロツアーは、それを今の時代にあわせてもう一度やって大きくしているだけというのが正直な気持ち。

格ゲーを将棋やチェス、ポーカーのように普遍的なものにしたい。
PS6や7になった時でも当たり前のように出来る環境に持っていくのが夢。